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第21回 ワークショップ
【電子オルガン部会】
森松慶子(東邦音楽短期大学・国立音楽大学)

 7月31日の第1夜に続く第2夜は、電子オルガンのための新しい作品の発表会である。6年前から毎年行われている、電子オルガンのための新作品コンサート“COMPOSITIONS”が、本年はパネルディスカッションつきの“ワークショップ”に発展した形での開催となった。

日 時 '98年8月1日(土) 18:00〜21:00
会 場 ヤマハエレクトーンシティ渋谷
主 催 日本音楽舞踊会議・作曲部会
全日本電子楽器教育研究会・電子オルガン部会
テーマ エレクトーンのための作品を考える
〜日本音楽舞踊会議・作曲部会“作品”を通して〜


パネルディスカッション

あいさつ助川敏弥(作曲/環境音楽制作)
菊地雅春(作曲/神戸大学教授/全日本電子楽器教育研究会実行委員)
パネリスト菊地雅春(作曲/神戸大学教授)
中島洋一(作曲/国立音楽大学助教授)
開米紀代子(作曲/演奏/洗足学園大学講師)
海津幸子(演奏/昭和音楽大学講師)
コーディネーター 阿方 俊(全日本電子楽器教育研究会アドバイザー)


COMPOSITIONS'98

〜エレクトーンのための新作品コンサート〜
1. 開米紀代子 “THE BIRD”('91年初演)
       
ELX-1:橘 光一
2. 福地奈津子 エレクトーンのための小品“音の画集”より

       
IV. dwarf V.混沌とした.. VI. Pas du deux
       
EL-900:福地奈津子
3. 北沢いずみ “Spring IV”(改訂初演)
       
EL-900:伊藤佳苗
4. 安彦善博  “樹の肖像”
       
ELX-1:橘 光一
5. 松宮 敬  “Reflection for Electone”('97年初演)
       
ELX-1:海津幸子
6. 菊地雅春  “こよなく美しき”
       
EL-900:桑原哲章

 パネルディスカッションで前夜に引き続いてあいさつした助川氏は、電子オルガンが今後市民権を得ていくための必要条件として、“電子オルガンを単なる一銘柄の商品としてでなく、エレクトロニクスと鍵盤が結びついた楽器としての概念で広く捉え直すことが必要であり、そのような視野に立って、作曲家もかつての大作曲家たちと同様に新楽器の開発に協力し、現代の生活から生まれた音で表現していくことが大切である”と述べた。
 パネルディスカッションでは、作曲家の立場から、演奏家の立場から、あるいは作曲も演奏も行う立場から、電子オルガンのための作品に関するさまざまな見解が語られた。電子オルガンを実際に演奏する際の身体性を反映した作品というものに関する具体的な発言、電子オルガンの楽器としての現在の限界点を疑問視し、音色などいくらでも拡張できる部分はするべきではないのだろうか、という問題提起とデモンストレーション、さらには、しばしば楽器のアイデンティティが問題にされるが、演奏者や作曲者の個性よりもそちらのほうが議論されるのは本末転倒ではないか、という意見等々。
 ひとつひとつの問題提起や提言についてその場で検討し、論じる時間がなかったのが残念であったが、機会を改めて再び取り上げるべき貴重な発言の多い、興味深いワークショップとなった。




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