蜈ィ譌・譛ャ髮サ蟄先・ス蝎ィ謨呵ご遐皮ゥカ莨夲ス廢lectronic Musical Instruments Education Society in Japan

全日本電子楽器教育研究会ホーム : 「全日本電子楽器教育研究会 第45回ワークショップ」


レポート 【3回シリーズ】電子オルガンの歴史そして未来(2)
日 時 2009年5月17日(日)13:30開場 14:00開会
会 場 聖徳大学 奏楽堂
テーマ 電子オルガンの歴史そして未来(2)
「発想の泉」電子オルガン〜音楽の作編曲の醍醐味〜
講 師 岩井孝信(聖徳大学音楽学部教授)
ゲスト 菊地雅春(作・編曲家)

「電子オルガンの歴史そして未来」3回シリーズで企画されたこのワークショップは、前回桐野義文先生をお迎えしてD-1登場当時のお話を伺い、楽器の歴史を踏まえつつ、今後への課題としてエレクトーンのリアルタイム性、操作性に関して問題提起がなされた。

そして第2回目となる今回は「発想の泉」と題して、楽譜がエレクトーン音楽普及の為の有力なメデイアであった事、問題点、将来的展望について検討を行う。楽譜の持つ意義は、@後世への伝承、A演奏家の育成が考えられ、「楽譜から演奏家へ」というタイトルにも結びつけたい。そこで電子オルガンの魅力・醍醐味の1つである「作曲」「編曲」に焦点を当て、講師は前回同様、聖徳大学教授の岩井孝信先生、ゲストには作・編曲家である菊地雅春先生をお迎えしてお話を伺った。

まずは楽譜の歴史を振り返る。
1959年にD-1が誕生し、それと共に演奏活動が活発化。そこでエレクトーンを普及させるために、東京藝術大学の作曲家の学生が楽曲編曲に起用される。当時斉藤英美氏、道志郎氏と共に活躍したエレクトーン界のパイオニアに斉藤超(わたる)氏がいるが、彼は人並みはずれたテクニックの持ち主で、その歯切れの良い演奏、確実な指裁きで(今もってなかなか越える事が出来ない)、当時、多くの聴き手を魅了した。
今回、その斉藤氏が50年前に演奏した「スペインの姫君」を聴く。1966年に矢代秋雄氏が中心となってエレクトーン研究会を発足。竹内剛氏、菅野章子氏等がチームに加わり、エレクトーンの曲集が制作され、エレクトーンメトードが発行される。

1960年発行の「エレクトーン曲集 Vol.1」から「春が来た」を岩井先生がD-3Rで演奏。現在のコードシステムとは違う、作曲家出身者らしい対位法的な動きが特徴である。

1966年に発行された「Let's Play Electone」になると、メロディーの上にコードネームが表記され、さらにコードの押さえ方を鍵盤図と共に表記して、コードネームがわからない人でも左手とベース音がわかるように書かれ、伴奏のリズムパターンがいくつか載せてあった。レジストについては、演奏者自身が考えていたようであるが、即興演奏の練習には最適であった。岩井先生が「河はよんでいる」を即興でボサノバヴァージョンで演奏された。

同年、ヤマハ音楽振興会が発足。教室開設と共にテキストが制作されるが、エレクトーン・メイトの制作に携わった片桐章子先生にお話を伺う。片桐先生は1970年頃東京・銀座のソニービルでのデモ演奏を見てエレクトーンの虜になったそうである。また、グレードシステムの誕生に貢献された水垣玲子先生にも、グレード誕生秘話を伺う。当時、ロンドンに在住していた水垣先生は、パイプオルガンを学び(アンドリュー・ロイド・ウェバーの父君に師事)、ご自身のデイプロマ(グレードの様な資格)を受けるべくグレードの準備をされていた。
その資格試験の内容は、「楽曲演奏のみならず、即興演奏、初見など、幅広い音楽能力を級でランク付けすることにより、職業人としての資格に結びつける事が出来る。」…これを是非ヤマハの講師にも受けさせたいと、川上理事長(当時)が考え、今日のグレードシステムに至る。

楽譜の話に戻り、1960年代当時は、ポップス音楽が大きく花開き、映画音楽、イージーリスニング、ロック、様々なポピュラー音楽が巷でも聴かれるようになり、最新ヒット曲をソロで演奏できるエレクトーンはブームを呼び、レストランやホテル等にも置かれるようになった。
そして1970年に発行された「魅惑のエレクトーン(道志郎先生 編曲)」から「恋はみずいろ」を、D-3Rで学生の花澤佳代子さんが演奏。当時の音色が蘇ってきた。

そんなエレクトーンがブームとなっていた時代に、数多くのエレクトーンのための作品を作・編曲され、洗足学園音楽大学や神戸大学などで教鞭をとられた、本日のゲスト菊地雅春先生にご登場頂く。このシリーズの第1回目のゲストである桐野義文先生に勧められてエレクトーンと出会い“夢の楽器”と感じたそうである。

菊地先生は嘗てエレクトーンコンクール出場者から依頼を受けて、作・編曲を手がけられた事があり、その中から2作品を紹介
「12のわらべうた」(第7回エレクトーンコンクールで、道正加寿子さんが演奏。わらべうたの素材の面白さに着目して編曲)
「ラプソデイ」(第8回エレクトーンコンクールで、深山智代さんが演奏。高知の阿波踊りのリズムをベースにしている。)

コンクールはエレクトーン史で重要な存在である。何故なら、その時代を代表する機種を駆使した作品や演奏が大きな牽引力を持つからである。そしてベースがないと演奏出来ない電子オルガンの為の作品である。そうこうするうちに芥川也寸志氏から「子供のための楽譜を作ってみないか?」という誘いがあり、1973年に、名アレンジ揃いの「たのしいエレクトーン」を発行。その中からいくつかを紹介。

「オー・シャンゼリゼ」 演奏…D-3R清水香里さん
中間部を転調。ベースの刻みが四分音符から八分音符へ…と細かくなる。

「遠くへ行きたい」 演奏…D-3R飯島舞さん
オルガン的で奏法もテクニックが要求される。メロディーは初め単音→二重音→重音奏(シアリング奏法)へと発展(+転調)、演奏技術の向上も意図されていると感じる。

「華麗なるバッハ」 演奏…D-3R齋藤美香さん
バッハの「プレリュードとフーガ」が素材となっている。ジャズ的手法を中間部に取り入れている。ベースの音を決定するのに苦労されたとのこと。

「10人のインディアン」 演奏…D-3R浦木裕依さん
「これぞアレンジ!」と言えるような、8小節のメロディーが菊地先生の手にかかるとこのように広がる。
ハ長調からヘ長調まで半音ずつの転調の後、中間部にはインディアンの踊りが取り入れられ、大作になっていく。

「どじょっこふなっこ」 演奏…D-3R坂本美樹さん
よく知られているメロディーが和音やリズムの変化で、テーマが次々に転調していき、音楽の流れに吸い込まれていくような絶品のアレンジ。

編曲へのプロセスは、先ずご自身で弾いてイメージをつかむ事から始め
機種によってはアレンジを考え直すこともあるとは思うが、基本的にはどの機種でも対応できると思う。

続いてはオリジナル作品の紹介。

「猿飛佐助」
上原直氏の再編曲で、STAGEA本体で再生されたデータを聴く。壮大なアレンジで躍動感溢れる楽曲である。

「MOTION PLAY “アリスの森”」
MOTIONは身体運動を示すとの事。“身体を使って弾きなさい”という意味も…。デジタル化された最初の楽器であるHXの誕生をきっかけに作られた。

「2台の電子オルガンのための“Rapid-fire”」
2人の奏者がお互いに即興演奏で掛け合うユニークな形式の曲。奏者の個性が発揮できる作品。

「LAST〜on 3 under 3〜」
Jazz Waltzと4beatの合体。「書いていた頃は“エレクトーンのための作品はこれを最後にしよう”と思ってLASTと名づけた」が、初演を手がけた赤塚先生から「やるぞ!という気にさせてくれる」と聞き、再びエレクトーンの魅力に気付かされた作品でもあったそうだ。

また、大曲ばかりではなく“子供たちからも喜ばれる作品”も多数作られた。
その中からも2曲紹介される。

「ふしぎな遊園地」 演奏D-3R…沈媛さん
メロディーの音色をアコーディオンにして演奏しても、曲想にふさわしく、シャンソンの香りがする。新しい機種での演奏も充分可能な作品である。

「シンギング・エレクトーン」 演奏D-3R…沈媛さん
ステージアでSWINGのリズムを使う事も可能。

そして、かつてはエレクト-ンの人気曲集シリーズ「5セレクション」で、最近では「エレクトーン50周年記念曲集」や「月刊エレクトーン」の特別復刻スコアでも取り上げられた「パリのあやつり人形」をSTAGEAで演奏。機種を問わずいつでも楽しめるエレクトーンアレンジの代表である。

最後に岩井先生が総括として、エレクトーン楽譜の持つ意味合い、意義を話された。具体的には
@楽譜は次の世代へ伝える継承性を持っている。
Aコピーされたものと、編曲者の発想から作られた楽譜があり、オリジナル性をどう考えるか。
B操作性の問題、すなわち音楽そのものより操作の指示が細かく入る事で、操作に支配されがちになる心配がある、という点。
C伝統的な演奏スタイルも残していきたい。
D出版する上でのルールを見直してはどうか?という点。
(実音ではない音を“データのフィート数を変更”して済ませるのではなく、フィート数指示するor高い音は高く書く等)、今後まだまだ考えていく点は多いと思う。

多くのエレクトーン学習者、愛好家にとって…
演奏する時に頼りになり、奏者の音楽力向上につながる楽譜の存在、そして作曲、編曲の意義や楽しさを、改めて考える事が出来たワークショップであった。
楽器にとらわれる事なく、積極的に自ら音色作りやリズムの作成に挑戦する事も、今後広めていきたい。

次回は、11月に第3回 〜豊かな表現力を求めて〜 と題して、小川真澄氏をゲストに迎える予定である。

ページの目次にもどる

本ホームページに関するお問合せ

全日本電子楽器教育研究会 事務局

住所 〒153-8666 目黒区下目黒3-24-22
TEL 03-5773-0888(平日10:00〜18:00)
FAX 03-5773-0882


繝壹シ繧ク縺ョ蜈磯ュ縺ォ繧ゅ←繧
Copyright(c) 1998-2012 by EMIES. All rights reserved.