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全日本電子楽器教育研究会ホーム : 「全日本電子楽器教育研究会 第46回ワークショップ」


レポート 【3回シリーズ】電子オルガンの歴史そして未来(3)
「豊かな表現を求めて」 〜アナログからデジタルサウンド〜
日 時 2009年11月1日(日) 開場13:30 開会14:00 (15:30終了予定)
会 場 聖徳大学1号館 香順メディアホール
講 師 岩井孝信(聖徳大学音楽学部教授)
ゲスト 小川真澄(キーボーディスト)
小川真澄オフィシャルブログ
賛助出演 後藤眞和(Bass)、柳生俊彦(Guitar)、小橋祐二(Drums)

2008年秋から始まった「電子オルガンの歴史そして未来」シリーズの最終回が、2009年11月1日、聖徳大学・香順メディアホールで行われた。今回は「豊かな音楽表現を求めて〜アナログからデジタルサウンド〜」というテーマで、進化した電子オルガンと、その奏法の変化にスポットを当て、作・編曲、演奏活動で活躍中の小川真澄氏と、そのカルテットをゲストに迎え、演奏やお話を伺う機会を得た。

今回も講師を務めるのは聖徳大学音楽学部教授、岩井孝信氏。早速過去2回のシリーズを振り返った。

第1回の「魅惑のサウンド」は2008年11月15日、聖徳大学2201号教室で行われた。ゲストにはエレクトーンが誕生した頃から第一線で演奏活動をされてきた桐野義文氏を迎えた。会場にはD-1B、D-2B、D-90、そしてSTAGEAがそろう。エレクトーンの原点であり、夢の電子楽器といわれたD-1Bで、桐野氏が「夕やけこやけ」を演奏している模様がスクリーンから流れる。当時の貴重な話を伺い、エレクトーンとしての楽器の個性が「音」として存在していた時代を振り返った。

第2回は2009年5月17日、「発想の泉」と題して、ゲストに作・編曲家の菊地雅春氏を迎え、聖徳大学奏楽堂で行われた。この回では楽譜からの普及の経緯、エレクトーンのための作品、編曲、コピー作品とオリジナルアレンジの価値観の相違点などについて話を伺った。

そして今回は、エレクトーンの未来について考え、デジタル化されたエレクトーンとそれ以前の楽器との違いを比較し、演奏や表現の変化について考える事にした。

1974年に最初のシンセサイザー、SY-1が出来る。エレクトーンにデジタルサウンドが付加された背景には、SY-1の登場によるところが大きい。
そして、同年発表されたGX-1はエレクトーンというより、シンセサイザーに近かった。エレクトーンはここから大きく変化していくことになる。
VCO,VCA,VCFという3つの回路をコントロールして音色を作ったアナログシンセサイザーである。
海外のアーティストにも好んで使用され、1977年カナダ・モントリオールでのオリンピック開会式で、EL&P(K.エマーソン、レイク&パーマー)ガGX-1を使用して、コープランドの「市民のためのファンファーレ」を演奏、スティービー・ワンダーもアルバム「Key of Life」の中でGX-1を使用している。
オルガニストよりもキーボーディストに愛された楽器でもある。

1977年にはPASSを搭載したD-60,EX-1が出る。PASSとは「パルス・アナローグ・シンセサイザー・システム」の事で、アナログ・デジタル混在のエレクトーンである。
さらに1983年にはFX,FSシリーズがデビュー、初めてのデジタル方式のエレクトーンで、FM音源、FWM音源、MDR、レジストレーションパックが搭載される。音のクォリティが高くなり、音色の個性がよりはっきりしてきた。エレクトーンがキーボード性を持った楽器になってきたが、反面メインパネルからトーンレバーが失われ、オルガンの要素がこの辺りから少しずつなくなり始めている。

ここで、同じ曲をさまざまな機種・奏者の演奏で聴いてみる。
曲目は、枯葉。
D-1(齋藤英美)、D-2B(沖浩一)、EX-42(道志郎)、GX-1(柴原くるみ)、FX-1(松田昌)

キーボードの開発は益々進み、デジタルシンセサイザーとして登場したDX-7は、テクノポップと呼ばれた新しい分野に大きな影響を与えた。

音色をエディットしたり、自由にリズムパターンを作ったりする「打ち込み」は、シンセサイザーの分野であったが、こうした要素が取り入れられたのが、1987年に発表されたHS,HXのシリーズであった。ユーザーボイス、ユーザーリズム、リズムパターンのエディット、エフェクト機能、AWM音源が加わり、現在に通じる楽器のスタイルを確立。

続いて登場したのがまだ記憶にも新しいELシリーズである。
ELシリーズでは、鍵盤上のセンサーの向上により、様々な演奏表現が可能になる。イニシャルタッチ、アフタータッチ、そしてホリゾンタルタッチが導入され、タッチコントロールの効果が大きくなってきたわけである。さらにXG音源のサポートで1台の中で合奏も可能となる。

アナログからデジタルへとサウンドの変化を見てきたが、音そのもののクォリティが高まっただけでなく、機能がデジタル化されたことにより、さまざまな利点が生まれ、音楽表現がより広く、深く、自由になってきたが、反面、オルガン性は失われてきた事になる。

そして、いよいよ本日のゲストである小川真澄氏をステージに迎える。
小川氏はヤマハ音楽院研究科を卒業、1998年インターナショナルエレクトーンコンクールで第1位を受賞、現在演奏活動の傍ら、作編曲家として活躍中、ヤマハ音楽院、洗足学園音楽大学で講師として後進の指導に当たっている。

まずはソロで2曲演奏。
1曲目は「ムーン・リバー」。
岩井氏は「事前にレジスト(音色・リズム・シーケンス)を準備せず、その場での即興でのアレンジ」をオーダーした。小川氏はレジストレーションメニューの中から「ボサノヴァ」を選び、演奏をしながらレジストチェンジをしたり、調整をしたり、エレクトーンと戯れているようで心地よい演奏を聴かせてくれた。
2曲目は「サマータイム」。
1曲目とは反対にSTAGEAの機能を駆使してのアレンジ、というオーダー。小川氏の手に掛かると、バラードの「サマータイム」も、フュージョン系の軽快なサウンドに。小川氏はSTAGEAについて「音色やリズムが多彩で、曲作りでは触発される事が多々ある楽器」と語った。

ソロ演奏を聴いた後で、今回のもう1つのテーマである「アンサンブル演奏」について、岩井氏が1940年代に活躍したエセルスミスを紹介。オルガニストとしては女王的な存在であったと言われている。
エセルスミスと楽団の演奏を紹介。
日本ではエレクトーンが誕生した頃、天才的なテクニックの持ち主として伝説ともなった齋藤超氏の存在を忘れてはならない。斉藤氏は惜しくも31歳の若さでなくなった。その斉藤氏とニューサウンズ(アコーディオン、ギター、ベース)の演奏を聴く。

再び小川氏にバンド活動について聞く。エレクトーンソロとは違い、他の楽器と合わせるとサイズもその場で決めて、ソロのやり取りもあり、楽しいと語る。バンドの中で色んな鍵盤楽器を使ってみたが、エレクトーンはホリゾンタルタッチやピッチベントなど様々な音楽表現が付けられて、キーボーディストが2人いないと出来ない事でもエレクトーンなら1人でも可能となり便利だ、と加えた。

最後に、いつも小川氏が活動しているカルテットのメンバーを迎えての演奏。
1曲目は小川氏のオリジナル「アルタイル」
一番新しく作った曲で、彦星という意味。彦星が織姫に逢いに行くシーンをイメージしていて、躍動感のあるメロディーの中にも宇宙の神秘的なものが感じられた。
バンドのメンバーにエレクトーンと競演する事についての感想を聞いた。

ドラム・小橋氏…
1曲を通して1つの楽器に専念せず、色々なパートを担当できて便利だな、といつも思う。

ギター・柳生氏…
エレクトーンのオリジナル曲には、ドラマチックな展開の曲が多いと思う。
※小川氏から「コンクールを意識した"一曲入魂型"があるのかも」とコメントがあった。

ベース・後藤氏…
シンセサイザーだと何台も必要になるところ、エレクトーンは1台でそれが可能になるので、ライブに向いている楽器。

2曲めはチックコリアの「スペイン」を演奏。
ジャージーな魅力が溢れ、タイトな演奏で、会場を魅了した。
盛大な拍手で小川氏とメンバーが退場。第3回のメニューがすべて終了する。

最後に岩井氏がエレクトーン誕生50周年の記念すべき年にエレクトーンの歴史を振り返り、演奏や音楽の変化を見つめる事が出来、有意義であった。今後の課題はあるものの、エレクトーンと向き合って、作り上げてきた事を嬉しく思うと、熱く語られた。

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